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人流データで分かること|当社の調査事例でみる5つの使い道

人流データとは、スマートフォンの位置情報などから「いつ・どこに・どんな人が・どう動いたか」を集計・推定したデータです。来訪の増減だけでなく、来訪者の属性(推定)、時間帯ごとの滞在、移動の経路、歩き方まで見えてきます。この記事では、レイ・フロンティアがこれまでに公開してきた調査をもとに、人流データで何が分かるのかを5つの使い道に分けて紹介します。

この記事の要点

  • 人流データで分かるのは、主に「来訪の変化」「来訪者の属性(推定)と居住地」「時間帯と滞在」「移動経路と寄り道」「歩き方・移動手段(推定)」の5つです。
  • 当社のデータは位置情報記録アプリ「SilentLog」の利用者から集めたもので、地域全体の人数を数えた値ではありません。属性や移動手段は推定値で、分かる範囲は対象の地域・期間によって変わります。
  • 自社の課題に使えるかは、目的・対象地域・期間を伝えていただければ、データの有無と分析できる範囲をお調べします。

最終更新:2026年10月

人流データとは

人流データは、人の移動や滞在を時刻と位置の組み合わせで記録し、エリアや時間帯ごとに集計したデータです。取り方によって、分かることや細かさが変わります。

レイ・フロンティアの人流データは、当社が開発・運営する位置情報記録アプリ「SilentLog」を通じて収集しています。SilentLog は、スマートフォンのGPSやセンサーで位置や移動を記録します。累計33万人以上のユーザーから得た336億件の行動データ(移動時間18億時間・移動距離39億km。2024年9月末時点)を保有しています。累計ユーザーは、SilentLogで位置情報の記録があった利用者の累計で、現在利用していない方を含みます。データは、法令および当社のプライバシーポリシーに基づいて取り扱っています。

この累計は、地域や期間を問わず集めたデータの総量です。特定の地域・期間で分析できる人数はこれより少なくなるため、ご相談の際に対象ごとに確認します。

人流データで分かること5つ

当社がこれまでに公開した調査から、人流データで分かることを5つに分けて紹介します。それぞれ「知りたいこと」「分析で分かったこと」「判断にどう使えるか(活用の例)」「この結果だけでは言えないこと」の順に書いています。数字は当社の分析対象(SilentLogの利用者)の範囲のものです。

1開業・開催前後の来訪の変化

知りたいこと:新しい施設やイベントで、来訪はどれだけ変わったか。

東京ディズニーランドの新エリアが2020年9月28日にオープンした後、当社の分析対象の来園者は10月2日(金)に、調査期間(9月21日〜10月4日)で最も多くなり、前週の同じ曜日(9月25日)より約3割多くなりました(調査記事)。新しい施設やイベントの前後で、来訪がどう変わったかをつかめます。

東京ディズニーランドの来園者数の推移(2020年9月21日〜10月4日、9月21日を100とした相対値)。10月2日が最も多い
東京ディズニーランドの来園者数の推移(2020年9月21日を100とした相対値・当社の分析対象)(出典:調査記事)

活用の例:新店舗・新施設の開業やイベントの前後で、来訪の変化を確かめる材料になります。

この結果だけでは言えないこと:期間中に最も多かった日が分かっても、そのうちどれだけが開業による増加かまでは分かりません。天候や曜日、ほかの催しなどの影響は別に確かめる必要があります。

2来訪者の属性(推定)と居住地

知りたいこと:どんな人が、どこから来ているか。

2024年10〜11月に業務スーパー上野広小路店を訪れた当社の分析対象では、推定年代は50代、推定年収は500万円台が最も多くなりました(調査記事)。来訪者がどこから来ているか(推定居住地)も分かります。

業務スーパー上野広小路店の来店者の推定年代の分布(2024年10〜11月)。50代が最も多い
業務スーパー上野広小路店の来店者の推定年代(2024年10〜11月・当社の分析対象)(出典:調査記事)

活用の例:品ぞろえや販促の対象層、集客を狙う地域を考える材料になります。

この結果だけでは言えないこと:1店舗の分析対象の結果で、チェーン全体の来店者像ではありません。年代や年収は、行動データから機械学習で推定した値で、本人の申告値ではありません。

3時間帯と滞在

知りたいこと:いつ人が集まり、どれくらい滞在するか。

大阪・関西万博の初日(2025年4月13日)には、当社の分析対象で、10時から14時に会場内の密度が最も高くなりました(調査記事)。どの時間帯に人が集まり、どれくらい滞在するかが分かります。

大阪・関西万博の初日(2025年4月13日)の会場内の滞在の分布を示すヒートマップ
大阪・関西万博の初日の会場内のヒートマップ(2025年4月13日・当社の分析対象)(出典:調査記事)

活用の例:案内やスタッフの配置、混雑への対策を考える材料になります。

この結果だけでは言えないこと:会場全体の入場者数そのものではありません。分析対象の人がどの時間帯に多かったかを示すものです。

4移動経路と寄り道

知りたいこと:人はどこからどこへ、どの順で動いているか。

2024年2月の午後の移動を調べた調査では、「職場、または最も長く滞在した場所」から自宅までの経路で、当社の定義に当たる寄り道をした割合は10.0%でした(調査記事)。どこからどこへ、どの順で動いたかが分かります。

帰宅経路での寄り道と直帰の比率(2024年2月・全曜日)。寄り道10.0%、直帰90.0%
帰宅経路での寄り道と直帰の比率(2024年2月・全曜日の午後・当社の分析対象)(出典:調査記事)

活用の例:帰宅の動線の途中にある店舗の集客や、販促の時間帯を考える材料になります。観光地どうしの回遊を見る場合も同じ考え方で、京都の3連休に観光客がどう移動したかを調べた調査があります。

この結果だけでは言えないこと:全曜日を対象にしており、勤務を確かめた「仕事帰り」に限った値ではありません。寄り道の条件は調査ごとの定義によります。

5歩き方・移動手段(推定)

知りたいこと:どのくらいの速さで、どの手段で移動しているか。

東京駅前では、当社の分析対象の平均歩行速度(推定)が、2023年6月と2026年6月を同じ方法で比べると、時速5.01kmから4.71kmへ、時速0.30km下がりました(両年とも約2,000人。調査記事)。また、2024年10月の分析対象では、日常的に車に乗る人の休日の平均移動距離は、休日だけ乗る人の約2倍でした(調査記事)。歩く速さや、徒歩・車・電車といった移動手段(推定)が分かります。

東京駅前の年代別の平均歩行速度(推定)の比較(2023年6月と2026年6月)。全年代で低下
東京駅前の年代別の平均歩行速度(推定・2023年6月と2026年6月・当社の分析対象)(出典:調査記事)

活用の例:歩行者空間や回遊の計画、移動手段に合わせた案内を考える材料になります。

この結果だけでは言えないこと:速度が下がった原因までは特定していません。同じ東京駅前の比較でも、歩数が正常に記録されたデータに絞ると、低下幅は時速0.08kmと小さくなります。計測の条件の変化が影響している可能性があります。車のデータには、運転する人だけでなく同乗者も含まれる可能性があります。

自社の課題で使えるか、確かめてみませんか

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目的・対象の地域や施設・期間をお知らせください。データの有無と、分析できる範囲をお調べします。

使い道別の事例一覧

目的から、近い当社の調査記事を探せます(出店・商圏/観光・回遊/イベント運営/生活・まちづくり)。表は横にスクロールできます。

目的 分かったこと(対象・時期) 判断にどう使えるか(活用の例) 調査時期 記事
出店・商圏 業務スーパー上野広小路店の来店者の推定年代・推定年収の分布 品ぞろえ・販促の対象層の検討 2024年10〜11月 記事
出店・商圏 コストコ群馬明和倉庫店の開業後の来訪者の推定居住地(県内・県外)と周辺への訪問状況 県外来訪者の回遊先や、周辺施設との連携の検討 2023年4〜8月 記事
出店・商圏 帰宅経路での寄り道の割合と、曜日・時間帯別の寄り道先 帰宅動線の途中にある店舗の集客・販促の時間帯の検討 2024年2月 記事
観光・回遊 京都の3連休に観光客がどの観光地へ向かい、どう移動したか 観光地どうしの回遊を促す案内の検討 2023年11月3〜5日 記事
観光・回遊 岩手県八幡平市の季節ごとの人の流れ 季節に合わせた受け入れ・誘客の検討 2025年9月〜2026年8月 記事
観光・回遊 キャンプ場7か所の滞在と利用者の属性(推定)。2024年はふもとっぱらのみ レジャー施設の利用状況の把握 2023年4〜11月・2024年4〜6月 記事
観光・回遊 全国旅行支援の開始前・実施中の、東京都と他県との移動数の推移 観光施策の開始前・実施中の変化の把握 2022年1〜12月 記事
イベント運営 東京ディズニーランド新エリアの開業前後の来園の変化 新施設の開業前後の来訪の変化の把握 2020年9〜10月 記事
イベント運営 大阪・関西万博の初日の時間帯別の滞在と来場者の属性(推定) 案内・スタッフ配置の時間帯の検討 2025年4月13日 記事
イベント運営 豊洲 千客万来の開業前後の来場者の傾向 新施設の開業前後の来場者の変化の把握 2024年1〜2月 記事
イベント運営 コミックマーケット102の開催前日と開催中の人の動き 大規模イベントの来場の時間帯の把握 2023年8月11〜13日 記事
生活・まちづくり 東京駅前・大阪駅前などの推定歩行速度の3年間の変化 歩行者空間・回遊の計画の検討 2023年6月・2026年6月 記事
生活・まちづくり 日常的に車に乗る人と休日だけ乗る人の乗車時間帯・休日の移動距離の違い 移動手段に合わせた案内・サービスの検討 2024年10月 記事

※いずれも当社の分析対象(SilentLogの利用者)の範囲の結果です。対象の条件や定義は各記事に記載しています。人流データと生成AIを組み合わせて2026年のトレンドを予測した調査もありますが、過去のデータに基づく予測で、将来を保証するものではありません。

人流データで分からないこと・注意点

人流データを判断に使うときは、次の点に注意が必要です。

  • 一部の人のデータであること:当社のデータは SilentLog の利用者から集めたもので、地域全体の人数を数えた値ではありません。利用者の年代や地域の構成は、地域全体の人口構成と同じとは限りません。
  • 属性や移動手段は推定値であること:年代・性別・居住地などは、行動データから機械学習で推定した値で、本人の申告値ではありません。
  • 分析できる範囲は地域・期間で変わること:対象の地域や期間によって、データの量が足りない場合があります。
  • 比較の条件をそろえる必要があること:前後の比較では、曜日・天候・計測の方法などの違いが結果に影響します。

よくある質問

Q. 人流データとは何ですか。
A. スマートフォンの位置情報などから、人の移動や滞在を「いつ・どこで」の組み合わせで記録し、エリアや時間帯ごとに集計したデータです。来訪の変化、時間帯ごとの滞在、移動の経路などが分かります。

Q. どれくらいの人数のデータがありますか。
A. 当社は、位置情報記録アプリ「SilentLog」を通じて、累計33万人以上のユーザーから得た336億件の行動データ(2024年9月末時点・現在利用していない方を含む累計)を保有しています。特定の地域・期間で分析できる人数はこれより少なく、ご相談の際に確認します。人数や地域の広さが必要な分析では、通信キャリアの統計データなど他社の人流データと当社のデータを組み合わせて分析した実績もあります。当社のデータが持つ細かな移動・滞在の記録と、他社データの人数の規模を組み合わせることで、どちらか一方だけでは分からない傾向まで読み取れます。他社のデータを使う場合は、提供元との利用条件の調整が別途必要です(SilentLog Analytics MCP)。

Q. 個人が特定されることはありませんか。
A. 提供する分析結果は、統計的に処理された集計・推定値で、個人を特定する情報は提供しません。データは法令および当社のプライバシーポリシーに基づいて取り扱っています。

Q. 来訪者数は実数ですか。
A. SilentLog の利用者の記録を集計した値で、地域全体の来訪者を数えた実数ではありません。増減の傾向や、属性・時間帯の分布をつかむのに向いています。

Q. 携帯電話の基地局やWi-Fiのデータとどう違いますか。
A. 当社のデータは、当社が開発・運営するアプリ「SilentLog」で、利用者のスマートフォンのGPSやセンサーから位置や移動を記録したものです。年代や居住地などの属性は、この行動データから機械学習で推定した値です。

Q. どの地域・施設でも分析できますか。
A. 対象の地域・期間によってデータの量が異なるため、事前にデータの有無と分析できる範囲を確認します。目的・対象地域・期間をお知らせください。

Q. 分析結果はどのような形で受け取れますか。
A. データやレポートで受け取る場合は「SilentLog Data」で、データの利用許諾、条件で抽出したデータの納品(CSV等)、分析レポートの納品の3つの形があります。継続して分析する場合は「SilentLog Analytics」を使い、AIアシスタントから分析できます。

Q. 自治体でも使えますか。
A. はい。東京都内の自治体の交通関連業務で、歩行者・自転車の動線分析にご利用いただいた例があります(株式会社ライテック様)。

自社の課題で使えるか確かめるには

人流データで分かることは、目的と対象の地域・期間によって変わります。まずは、知りたいことで分析できるかをお問い合わせください。

ご相談の際は、次の内容をお知らせいただくとスムーズです。

  • 知りたいこと(例:新店舗の来店者の居住地、イベントの時間帯ごとの混雑)
  • 対象の地域・施設
  • 対象の期間
  • 結果が必要な時期

ご相談のあとに、次の点を確認します。分析できる人数、受け取りの形と納期、小さく試せるか、結果を社内資料や公開資料に載せられるか、です。費用は、対象のエリア・期間・データ項目に合わせて個別にお見積りします。

データや分析レポートを受け取りたい場合は「SilentLog Data」、行動データを蓄積して継続的に分析する基盤を使いたい場合は「SilentLog Analytics」をご覧ください。SilentLog Analytics は、AIアシスタントから「SilentLog Analytics MCP」を通じて分析できます。SilentLog Data のページでは、交通関連業務の動線分析(株式会社ライテック様)や、都市模型への投影コンテンツ向けの人流データ提供(株式会社竹中工務店様)などの提供例を紹介しています。

目的・対象地域・期間をお知らせください

対象のエリア・期間で分析できるか相談する

この記事で引用した調査

  • 東京ディズニーランドの新エリアで人流はどう変わった?(2020年9〜10月の分析)trend/2908
  • 業務スーパーの来店者像を調査(2024年10月1日〜11月30日・上野広小路店)trend/2706
  • 【大阪・関西万博】初日の来場者をAIで分析(2025年4月13日)trend/2889
  • 仕事終わりの寄り道行動を調査(2024年2月の全曜日・午後。期間内に帰宅の記録がある利用者が対象。「職場、または最も長く滞在した場所」から自宅までの経路で、3分以上60分未満、1分あたり平均20歩以上の滞在を寄り道としています)trend/2951
  • 東京駅前の歩行速度は3年で時速0.3km遅くなった(2023年6月・2026年6月・分析対象の推定歩行速度)技術ブログ
  • 【車のリアル】乗車頻度と移動パターンをデータ分析(2024年10月・休日の平均移動距離の比較)trend/2742
  • SilentLog Data(データの規模〔累計ユーザーは現在利用していない方を含む〕・取り扱い・提供の形・提供例)サービスページ
  • SilentLog Analytics(よくある質問:個人の特定について・分析の入口)サービスページ

※年代・年収・居住地などの属性の「推定」は、行動データから機械学習で推定した値です(本人の申告値ではありません)。「累計」は、SilentLogで位置情報の記録があった利用者の累計で、現在利用していない方を含みます。

レイ・フロンティア株式会社は、位置情報記録アプリ「SilentLog」の開発・運営と、移動データの収集・推定技術を用いた法人向けのサービスを提供しています。保有する特許に「生成AI×位置情報による次世代地図自動生成システム(特許第7657484号)」があります。

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