技術・トレンド
2026年のトレンドを先取りするため、過去10年間にわたるヒット商品名約3,200件の解析と全国30地域以上の人流データ分析を実施しました。
本調査では、2026年に注目を集めるキーワードとスポットを予測し、キーワードを8つの「訴求軸」に分類して伸長トレンドを抽出。
さらに、アクセス数や観光トレンドの「兆し」をもとに話題化が期待される3エリアを選定し、1位エリアについては詳細な人流分析を行いました。
現代のブランド戦略では「何を言うか」だけでなく、「どこで体験させるか」も重要な要素となっています。
特にSNS上の体験投稿やポップアップストアの活用により、「場所」そのものがブランド価値を高める時代が到来しています。
レイ・フロンティアでは、独自開発の人流解析プラットフォーム「SilentLog Analytics」と生成AIのChatGPTを用いて、無意識の行動から関心の変化を捉えることで、予測分析調査を実施しました。
・O4O(Offline for Online)
リアル体験からオンライン購買へ誘導する新たな施策が若年層を中心に拡大中。
・福井県・敦賀市
北陸新幹線延伸によりアクセスが飛躍的に向上し、観光客が急増。海鮮、温泉、歴史と「非日常ミニトリップ」が都市生活者に人気。
・新潟県・佐渡島
金銀山跡のライトアップや夜間ツアーが話題に。「夜の観光地」として進化中。
・奈良県・奈良市周辺
歴史資産とカフェ巡りが融合した「推し活2.0」の舞台に。Z世代・ミレニアル層から支持を集めています。
SilentLog Analyticsで2025年ゴールデンウィーク時点の人流データを解析した結果、
・他県からの訪問者が多数を占め、認知度上昇が明らかに
・敦賀駅周辺の高密度な人流が玄関口としての機能を示唆
・国道8号線沿いや大型商業施設での立ち寄り行動も確認
分析手法:
・ヒット商品名の形態素解析およびクラスタリング
・SilentLog Analyticsによる人流データ分析
対象:
・2015年〜2024年に日本で販売されたヒット商品名 約3,200件
・注目エリア30箇所以上
※本調査は過去データに基づいたものであり、将来を保証するものではありません
※ データは「SilentLog」アプリより収集したデータに匿名化処理を施したもの
※ あくまで弊社サービスで収集したもので、実際とは異なる場合がございます
まず2015~2024年に公表されたヒット商品(年間売上上位)約3,200件を収集しました。
表1. ヒット商品名データ(2015〜2024年) 表2. 見えてきたワードの特徴
10 年分のヒット商品名をクラスタリングしたところ、購買を後押しするキーワードは 「五感訴求」「効率実感」「専門信頼」「上質ラグジュアリー」「健康ウェルビーイング」「体験共創」「サステナビリティ」「デジタル革新」 の 8 軸に大別できました(表3)。
・急成長中:
「効率実感」「健康ウェルビーイング」「体験共創」軸のワードは、コロナ禍以降に特に伸長。
例)「瞬間」「温活」「フェス」など。
・横ばい、飽和傾向:
「サステナビリティ」軸は「当たり前化」により、もはや差別化要因にはなりにくい。
表3. 8訴求軸と伸長トレンド
生成AIを活用した「手間の排除」や、体験の舞台となる場所との接続を高める「リアル体験のEC接続」など、「合理性」「没入感」「拡張性」を感じさせる表現が、注目を集めつつあることがわかりました。
本調査では、以下のようなキーワードを、2026年に向けた重要な注目トピックとして選定しました。
2026年にかけて注目度が高まると予測される30のエリアについて、最新の来訪者数や観光トレンドの傾向をもとに分析を実施。
その中でも特に、話題性が高く、今後さらなる来訪者の増加が見込まれる注目の3エリアを選出しました。
・対象地域の設定:全国30以上の主要観光・都市圏をピックアップ
・指標の選定
企画量:各地でのイベントやプロモーション数
来訪者急増傾向:特定期間の人流増減率
・アクセス性向上:2024年春に北陸新幹線が敦賀まで延伸。東京から約3時間で到達可能に。
・来訪者数の伸長:開業後5ヶ月で主要観光施設の来訪者が1.5倍に増加。
・新たな観光文脈:「日本海グルメ×アクセス性」による「非日常ミニトリップ」が都市生活者に支持されている。
・田舎と都市の良いところ取り:海鮮旅行だけでなく、温泉や歴史情緒も楽しめる「ちょうどいい田舎感」がZ世代・ミレニアル層の共感を呼ぶ。
・ナイトツーリズムの拡充:世界文化遺産登録に向けた動きの中、金銀山跡のライトアップや夜間ツアーが続々登場。
・24時間島旅へのシフト:従来の「昼観光地」から、アフター5の体験価値を高める「夜の観光スポット」へ進化中。
・SNS映えする演出:レトロな鉱山遺跡が浮かび上がる「映え夜景」が写真投稿欲を刺激。
・「最後の秘境」再発見:非日常感あふれる島の夜が、新たな観光動機となっている。
・「推し活2.0」の舞台:歴史資産とカフェ巡りを組み合わせた新しい滞在体験がZ世代・ミレニアル層に浸透。
・世界遺産×日常消費:古都の静謐さを感じながら、推しを追いかける「静かに推しと向き合える」空間が支持を集める。
・滞在時間の増加:若年層の奈良滞在時間が延び、Airbnb旅行先ランキングで国内2位にランクイン。
2024年春の北陸新幹線延伸により、東京から約3時間弱でアクセス可能となる敦賀市では、アクセス性の飛躍的向上を背景に、既に他県からの訪問者が増加傾向にあります。
2025年ゴールデンウィーク時点の滞在者データを「SilentLog Analytics」を用いて解析。その結果、以下のような人流の傾向が明らかになりました。
・多くが敦賀市外、特に他県からの来訪者であることが判明しており、観光地としての認知・関心がすでに広がり始めていることを示しています。(図1)
・敦賀駅周辺では人流が高密度で集積しており、観光の玄関口としての機能が顕著(図2)
・国道8号線沿いには南北に徒歩移動する人の流れが確認され、活発であることが示唆されます。(図3)
・ショッピング施設「アルプラザ敦賀」では一定数の滞在者が見られ、立ち寄り行動が可視化されています。(図4)
海鮮グルメ、温泉、歴史的港町としての風情など、日本海側の新しい定番旅行先としての地位確立が期待されます。
本調査では、売れる言葉の型とトレンドスポットを統合的に捉え分析した結果を公開しました。
今後もレイ・フロンティアは、SilentLog Analyticsをはじめとする独自技術を通じて、生活者の無意識な行動から価値を見出し、未来をひらくヒントを可視化してまいります。
会社概要
https://www.rei-frontier.jp/about/
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